2012年10月20日
警務のオシゴト 「警務隊24時」 その4
「カリスマ」の右腕「カツ」を拘束した束の間、本部要員より「CP外周を巡察中、迷子になっていたANP(アフガン警察)職員を収容。これより本部に移送」する旨、連絡が入る。

しかし、やってきたのは昨夜、アホ支群宿営地で発砲騒ぎを起こし、その後、小型トラックを奪取し逃走した「カリスマ」だった(!)


カリスマは周到に用意したANPの制服を着込み、連合軍部隊の目を欺き、やすやすとCP地域に侵入!カツの拘束時のどさくさで本部に弾薬箱に入れた仕掛け爆弾を設置していたのだった。爆発物は点火不良で不発に終わるも、テロ(ネタ)攻撃の波状攻撃でアホ支群と連合国軍部隊を確実に疲弊させてゆくのだった。
しかし、過去のハートロックにせよ、東葛署員連続殺傷事件の発生した「北の国から2011」にせよ、カリスマは身にまとう衣装ひとつで「ヨルダンから来た武器商人」「民族解放戦線風のゲリラ」「偽ANP」――と、雰囲気を一変させるため発見が困難だ。「敵対勢力」側ではあるが、「カリスマの名は伊達じゃない」と、派遣隊員間でも噂になる男だった。
同時に、「乳母車爆発事件」では、乳母車の爆発炎上直後にテロ(ネタ)容疑者を確保。

おっとり刀でやってきたANP(アフガン警察?)が、CP外周地区は自分たちの管轄であると捜査権を主張し、捜査に介入。実際、拘束場所がチェックポイントの数メートル外側であったため、警務班がANP部隊に容疑者の身柄を引き渡したところ、手荒い取り調べが始まる。




容疑者を拘束するために跪かせたか――と思いきや、警務班の制止を振り切りけん銃を発砲(!)

拳銃を発砲した後に容疑者の身体検査(?)を実施し、証拠品を押収(ポッポ)する。



ちょっと手続き上、順番が異なるが、彼の国の「常識」は我々の常識をはるかに超えた位置にあるのだった。

げにおとろしきはアホガン国である。
しかし、やってきたのは昨夜、アホ支群宿営地で発砲騒ぎを起こし、その後、小型トラックを奪取し逃走した「カリスマ」だった(!)
カリスマは周到に用意したANPの制服を着込み、連合軍部隊の目を欺き、やすやすとCP地域に侵入!カツの拘束時のどさくさで本部に弾薬箱に入れた仕掛け爆弾を設置していたのだった。爆発物は点火不良で不発に終わるも、テロ(ネタ)攻撃の波状攻撃でアホ支群と連合国軍部隊を確実に疲弊させてゆくのだった。
しかし、過去のハートロックにせよ、東葛署員連続殺傷事件の発生した「北の国から2011」にせよ、カリスマは身にまとう衣装ひとつで「ヨルダンから来た武器商人」「民族解放戦線風のゲリラ」「偽ANP」――と、雰囲気を一変させるため発見が困難だ。「敵対勢力」側ではあるが、「カリスマの名は伊達じゃない」と、派遣隊員間でも噂になる男だった。
同時に、「乳母車爆発事件」では、乳母車の爆発炎上直後にテロ(ネタ)容疑者を確保。
おっとり刀でやってきたANP(アフガン警察?)が、CP外周地区は自分たちの管轄であると捜査権を主張し、捜査に介入。実際、拘束場所がチェックポイントの数メートル外側であったため、警務班がANP部隊に容疑者の身柄を引き渡したところ、手荒い取り調べが始まる。
容疑者を拘束するために跪かせたか――と思いきや、警務班の制止を振り切りけん銃を発砲(!)
拳銃を発砲した後に容疑者の身体検査(?)を実施し、証拠品を押収(ポッポ)する。
ちょっと手続き上、順番が異なるが、彼の国の「常識」は我々の常識をはるかに超えた位置にあるのだった。
げにおとろしきはアホガン国である。
2012年10月20日
警務のオシゴト 「警務隊24時」 その3
ハートロックの状況が開始されHQより、
「J隊部隊はドカン山周辺に設置されたCPを拠点として補給活動を実施せよ」
とのHQ命令を受け、アホ支群はCP地域へ展開。
群本部はCPを拠点とし本部を開設。情報小隊は周辺地域の情報収集を開始。警備中隊は各小隊ごとにただちに各部隊への補給活動を開始。直後、HQより補足命令として、
「J隊部隊はCP周辺地域を警戒せよ」
との命令が下達される。
連合軍部隊は軒並み前線へ向かい、警備戦力の不足するCP周辺地域の警戒任務を付与され、アホ支群は補給活動と、CP地区の警備という2つの大きな任務を付与されたのだった。

(※ 本部車両上で指揮を執る菊池群長)
しかし、隷下部隊は各方面へ補給に向かい、群本部は一線部隊への指揮を執り、戦力が不足。CP地区の実質的な警備の中心となったのが後方部隊であるはずの警務班だった。
ゲリラ側からすればCPは連合国軍の中枢であり、最大の攻撃目標となっていることは自明で、挙動不審な現地人、あからさまに武装した集団が遠巻きに様子を伺うなど不穏な空気に包まれていた。しかし、HQより「自衛戦闘のみ」許可されているアホ支群にとって、交戦の要件は満たさないため、こちらから脅威を排除することは出来ない。また、重要補給路上の要所に潜伏する情報小隊からも武装勢力の不穏な動きが群本部に逐一報告が上がってくる。
そんななか、CP地区東側のチェックポイントで「赤ん坊を連れた現地住人が保護を求めている」という通報が本部に入電。
警務班が急行すると、乳母車に乗せられた子供?と、母親と思しき女性?および同行者二名が保護を求めている。先に現地入りしていたISAF部隊から引き継ぎを受け、警務隊員が身体検査を実施しようとしたところ、突如、乳母車が爆発!



連続した破裂音が聞こえた後、その火が引火し乳母車が炎上!派遣警務班からの、
「至急!至急!乳母車が爆発炎上!ガチ火災。繰り返すガチ火災!至急応援求む!!」
との至急報で本業が「ファイヤーマン」の群本部4係長が臨場。受傷防止のため2係長がメガホンで状況報告をしつつ規制線を張り、小型トラックに積載していた補給用の飲料水にて消火活動を実施。


火災が収まった後、勇敢な警務班はただちに実況見分――ガチの爆発物の無力化を敢行。

(※ 紙袋の内部にはリード線を確認)

(※ 保護を求めていた男の遺留品である自動小銃。周辺の検索で弾倉2本を発見、押収)

(※ 燃えたカバン内には多数の爆竹の燃えカスを確認)
ひとまず鎮火が確認されたため、延焼の危険性の低い溶岩上に移動を試みる。

爆発物はカバン内部に入れられた大量の爆竹を電気信号によって発火させる装置を持っており、その手口から昨夜アホ支群宿営地に仕掛けられた爆発物と構造が酷似しており、同一のテロ(ネタ)容疑者による犯行と推察された――と、実況見分を終え、CPからの指示で無力化した証拠品を押収。CPへ引き渡したところ、再度、乳母車が爆発炎上!

(※ 今考えればこのテロ攻撃でCPは壊滅。想定上の完全な敗北である)
爆発時、乳母車を搬送していた警務班3名が負傷(※想定上)。ただちにPJに救出され後送されたため大事には至らなかったが、アホガン派遣史上初の「部隊全滅」となってしまったのだった。
その後も、CP地区には「J隊への手紙を預かってきた」という現地人が面会を希望。

慎重に内部をあらためたところ、なかには暗号化された脅迫文――J隊のシンボルである「桜」。「ちるさくら」。つまり、「J隊は敗れる」との内容の脅迫文と実包が。
手紙を持ってきた人物を照会したところ、身分を偽変しているが、昨夜のアホ支群宿営地で発砲事件を起こした手配中の「カリスマ」の右腕「カツ」であることが判明!


警務隊員がただちに拘束しようとしたところ隠し持っていた小型けん銃を発砲!

ついに警務隊員は「最後の手段」であるけん銃を抜く事態に発展。

手配中の「カツ」の発砲で本部要員が負傷。制圧劇の後、拘束に成功するも、CP地区の脅威度は急上昇してゆくのだった。
(つづく)
「J隊部隊はドカン山周辺に設置されたCPを拠点として補給活動を実施せよ」
とのHQ命令を受け、アホ支群はCP地域へ展開。
群本部はCPを拠点とし本部を開設。情報小隊は周辺地域の情報収集を開始。警備中隊は各小隊ごとにただちに各部隊への補給活動を開始。直後、HQより補足命令として、
「J隊部隊はCP周辺地域を警戒せよ」
との命令が下達される。
連合軍部隊は軒並み前線へ向かい、警備戦力の不足するCP周辺地域の警戒任務を付与され、アホ支群は補給活動と、CP地区の警備という2つの大きな任務を付与されたのだった。
(※ 本部車両上で指揮を執る菊池群長)
しかし、隷下部隊は各方面へ補給に向かい、群本部は一線部隊への指揮を執り、戦力が不足。CP地区の実質的な警備の中心となったのが後方部隊であるはずの警務班だった。
ゲリラ側からすればCPは連合国軍の中枢であり、最大の攻撃目標となっていることは自明で、挙動不審な現地人、あからさまに武装した集団が遠巻きに様子を伺うなど不穏な空気に包まれていた。しかし、HQより「自衛戦闘のみ」許可されているアホ支群にとって、交戦の要件は満たさないため、こちらから脅威を排除することは出来ない。また、重要補給路上の要所に潜伏する情報小隊からも武装勢力の不穏な動きが群本部に逐一報告が上がってくる。
そんななか、CP地区東側のチェックポイントで「赤ん坊を連れた現地住人が保護を求めている」という通報が本部に入電。
警務班が急行すると、乳母車に乗せられた子供?と、母親と思しき女性?および同行者二名が保護を求めている。先に現地入りしていたISAF部隊から引き継ぎを受け、警務隊員が身体検査を実施しようとしたところ、突如、乳母車が爆発!
連続した破裂音が聞こえた後、その火が引火し乳母車が炎上!派遣警務班からの、
「至急!至急!乳母車が爆発炎上!ガチ火災。繰り返すガチ火災!至急応援求む!!」
との至急報で本業が「ファイヤーマン」の群本部4係長が臨場。受傷防止のため2係長がメガホンで状況報告をしつつ規制線を張り、小型トラックに積載していた補給用の飲料水にて消火活動を実施。
火災が収まった後、勇敢な警務班はただちに実況見分――ガチの爆発物の無力化を敢行。
(※ 紙袋の内部にはリード線を確認)
(※ 保護を求めていた男の遺留品である自動小銃。周辺の検索で弾倉2本を発見、押収)
(※ 燃えたカバン内には多数の爆竹の燃えカスを確認)
ひとまず鎮火が確認されたため、延焼の危険性の低い溶岩上に移動を試みる。
爆発物はカバン内部に入れられた大量の爆竹を電気信号によって発火させる装置を持っており、その手口から昨夜アホ支群宿営地に仕掛けられた爆発物と構造が酷似しており、同一のテロ(ネタ)容疑者による犯行と推察された――と、実況見分を終え、CPからの指示で無力化した証拠品を押収。CPへ引き渡したところ、再度、乳母車が爆発炎上!
(※ 今考えればこのテロ攻撃でCPは壊滅。想定上の完全な敗北である)
爆発時、乳母車を搬送していた警務班3名が負傷(※想定上)。ただちにPJに救出され後送されたため大事には至らなかったが、アホガン派遣史上初の「部隊全滅」となってしまったのだった。
その後も、CP地区には「J隊への手紙を預かってきた」という現地人が面会を希望。
慎重に内部をあらためたところ、なかには暗号化された脅迫文――J隊のシンボルである「桜」。「ちるさくら」。つまり、「J隊は敗れる」との内容の脅迫文と実包が。
手紙を持ってきた人物を照会したところ、身分を偽変しているが、昨夜のアホ支群宿営地で発砲事件を起こした手配中の「カリスマ」の右腕「カツ」であることが判明!
警務隊員がただちに拘束しようとしたところ隠し持っていた小型けん銃を発砲!
ついに警務隊員は「最後の手段」であるけん銃を抜く事態に発展。
手配中の「カツ」の発砲で本部要員が負傷。制圧劇の後、拘束に成功するも、CP地区の脅威度は急上昇してゆくのだった。
(つづく)
2012年10月20日
橋本学生20さいの冒険
ハートロック初日。宵の帳がおりて各所で団結会(飲み会)のコールと、雄叫びが聞こえ、辺りは「お祭り」の祝祭的空間と化す。
アホ支群宿営地も全国から集まったJ隊野郎同士がアツイ親睦を深め、他国参加者からの表敬訪問を受け、大いに盛り上がっていた。


精強な部隊の源である「団結」。この団結を涵養するために深夜「武器」として使用されるのが酒である。


費用対効果が高く、武器として使用される酒類のなかでもその主力兵器として使用される「焼酎」。このボトルがものの数分でバンバン空いていく様は壮観である。

おなじ「桜商事」で青春を過ごした者同士、世代も支店も違えど、思い出話に花が咲く。



伝説の酒豪の集まる米陸軍チームが表敬訪問。


気合いの入ったアニキたちの気迫漲るコールと、根性の入った飲みっぷりに感化された橋本学生が、
「自分にも飲ませてください!」
と、志願。焼酎のボトルに手を伸ばす。


「いざネクストステージへ」


――コールの大合唱以前から、生意気にも「自分もビール貰っていいっすか?」「もう一本いいっすか?」「もう一杯」――と、地味に飲み続けていた橋本学生。焼酎の一気飲みで突如、ナニカが降臨したのか戦時中出征した爺さんがどうしたこうした、「中国なんて~」「日本人は~」と、発言も穏やかじゃない。
と思えば、つい先日、「ヤラハタ」を迎えた橋本学生。
「自分ってなんでモテないんですかね?どう思います!?」(←見たままそのままだろ)と、女性参加者に絡み、挙句の果てにいつ持ち出したのか、小銃片手に青春のリビドーを喚き散らす橋本学生。

「青春」とはときに醜悪なものである。
そして、いくら「おもちゃ」とはいえ小銃は「小銃」なのだ。いついかなるときも実銃として扱い、最大限の敬意を払い、細心の注意を持って接しなければならない。
安全区域で弾倉を装てんする、安全装置を外すなど言語道断。小銃を「もてあそぶ」など、正気の沙汰ではない。
先輩たちの忠告も聞かずに暴走を続ける橋本。もはやこうなれば実力行使(お仕置き)しかない。


※ 捕獲されし橋本学生20さい。
寒風吹きすさぶキャンプMOTOSUに国防経験者の号令が響く!
「腕立て伏せの姿勢をとれ!!」

「!!!」

国防経験者2名の指導のもと、絶賛「根性注入」される橋本学生20さい。

「ケツが高いぞ!気合いを入れろ!!」「おまえの反省はその程度か!?」

と、「シンキョースタイル」で根性を入れられた橋本学生。しかし、国防経験者の優しさか、「腕立て伏せをさせる」のではなく、ともに腕立てをするさまは愛に満ちた「正しきお仕置き」の姿である。
「いざネクストステージ」をのぞき、一皮むけたかと思えば、

瞬間、このザマである。
「鉄拳サイト―」の異名を誇る糧食班長に説教を頂戴する橋本学生20さい。

お説教中もこの表情である。

――このマイペースぶりはとんだ大物か、ホンモノの「ヌケ作」のどちらか?どうにも後者の可能性が濃厚だ。
この後、橋本学生20さいは「連続マーライオン状態」に陥り、介抱のため、多くの人出がとられ、先任らの安眠を妨害。さらに就寝後、不寝番が点検するも入っているはずの寝袋の中にいない!
すわ酔っぱらったまま徘徊か?
と、ライト片手に宿営地を探すもどこにもいない。再度、天幕内を探すと空っぽの寝袋が小刻みに動いている。寝袋を引っぺがすと、そこにはめくれまくったTシャツ、ずり落ちたパンツ姿の橋本学生20さいが赤ん坊の如く縮こまって、脱ぎ散らかした被服のスキマに挟まり寒さに震えている。
「貴様、どこまで手間かけるんだ?」
と、軽く殺意を感じつつも、翌朝の本状況で熱発で脱落されて部隊行動に影響が出ることこそ大問題だ。
服を着ろ、寝袋に入れ――と、指導するも、
「服着れません。寝袋の入り方わかりません。ケツが痛いです」
と、のたまう橋本学生20さいを手取り足取り寝袋にブチ込み、夜が明けた。
翌朝――。
「昨日は飲み過ぎてなにも覚えてないんですよね~」
部隊員一同、いわく「おゆとり様」に殺意を覚えた瞬間であった。
しかし、橋本学生20さいを暴走させた酒。気合いの入った飲みっぷりのアニキたちも皆、生まれながらにアニキであったわけではない。大なり小なり酒で失敗をしながら立派な「アニキ」となっていったのである。
ある者は「イットペ時代」にヤマ(演習)で行われていたガチンコの団結会でしこたま飲まされ、そのまま側溝にドボン。中隊総出の捜索でずぶ濡れの凍死寸前で発見され、またあるアニキ達は初期ハートロックでしこたま飲み過ぎ、そのままMIA(行方不明)で翌日の本番前にKIA。
皆、数多の「オイタ」を経験して「アニキ」=「大人」になっていったのである。
「酒は飲んでも飲まれるな」
わかっちゃいるけど、むつかしい。
こうして橋本学生20さいはまたひとつ大人の階段を上ったのであった。
そしてこのとき、橋本学生の「ヤラハタ」=「妖精化」を阻止するため、かねてから構想されていた作戦が静かに再始動したのであった。
優しい兄貴たちは自分たちの稼ぎのなかから橋本学生の為にカネを積み立て、大阪飛田新地の通称「妖怪通り」をはじめ、横須賀安浦「ババアゾーン」、新潟「あげまん慶子」(!)など各地に存在する、老練超絶テクニシャンの揃う「性のラビリンス」に橋本学生を連行。じ後、「夜間戦闘射撃訓練」を実施。二次元に傾倒しつつある橋本学生を「こちら側」に連れ戻し、
「人は見た目ではなく中身(←本質)」
ということを身体にわからせる――という愛にあふれた作戦だ。
以下、業務連絡。
「夜間戦闘射撃訓練実施計画」
日時 平成24年年末 (忘年会後段が適当か)
地域 未定 (候補として大阪飛田新地、横須賀安浦、千葉栄町、「あげまん慶子」)
目的 夜間戦闘射撃について演練し、その要領を習得させる。
課目 夜間戦闘射撃
時間 15~30m
立案の基礎 継続的な射撃予習は終了している。的確な状況判断、決心については演練を要す。
装備 支援車両小型2両。(護送用1両、阻止車1両)
資材 現金10000円程度
(編成)
指導部 各隊指揮官、先任
実施部隊 橋本学生20さい
支援部隊 (支援) 車輛2両 人員8名
(実施の概要)
捕獲 → 命令下達 → 移送 → 目標と遭遇 → 講評
以上。
橋本学生20さいに幸あれ。
アホ支群宿営地も全国から集まったJ隊野郎同士がアツイ親睦を深め、他国参加者からの表敬訪問を受け、大いに盛り上がっていた。
精強な部隊の源である「団結」。この団結を涵養するために深夜「武器」として使用されるのが酒である。
費用対効果が高く、武器として使用される酒類のなかでもその主力兵器として使用される「焼酎」。このボトルがものの数分でバンバン空いていく様は壮観である。
おなじ「桜商事」で青春を過ごした者同士、世代も支店も違えど、思い出話に花が咲く。
伝説の酒豪の集まる米陸軍チームが表敬訪問。
気合いの入ったアニキたちの気迫漲るコールと、根性の入った飲みっぷりに感化された橋本学生が、
「自分にも飲ませてください!」
と、志願。焼酎のボトルに手を伸ばす。
「いざネクストステージへ」
――コールの大合唱以前から、生意気にも「自分もビール貰っていいっすか?」「もう一本いいっすか?」「もう一杯」――と、地味に飲み続けていた橋本学生。焼酎の一気飲みで突如、ナニカが降臨したのか戦時中出征した爺さんがどうしたこうした、「中国なんて~」「日本人は~」と、発言も穏やかじゃない。
と思えば、つい先日、「ヤラハタ」を迎えた橋本学生。
「自分ってなんでモテないんですかね?どう思います!?」(←見たままそのままだろ)と、女性参加者に絡み、挙句の果てにいつ持ち出したのか、小銃片手に青春のリビドーを喚き散らす橋本学生。
「青春」とはときに醜悪なものである。
そして、いくら「おもちゃ」とはいえ小銃は「小銃」なのだ。いついかなるときも実銃として扱い、最大限の敬意を払い、細心の注意を持って接しなければならない。
安全区域で弾倉を装てんする、安全装置を外すなど言語道断。小銃を「もてあそぶ」など、正気の沙汰ではない。
先輩たちの忠告も聞かずに暴走を続ける橋本。もはやこうなれば実力行使(お仕置き)しかない。
※ 捕獲されし橋本学生20さい。
寒風吹きすさぶキャンプMOTOSUに国防経験者の号令が響く!
「腕立て伏せの姿勢をとれ!!」
「!!!」
国防経験者2名の指導のもと、絶賛「根性注入」される橋本学生20さい。
「ケツが高いぞ!気合いを入れろ!!」「おまえの反省はその程度か!?」
と、「シンキョースタイル」で根性を入れられた橋本学生。しかし、国防経験者の優しさか、「腕立て伏せをさせる」のではなく、ともに腕立てをするさまは愛に満ちた「正しきお仕置き」の姿である。
「いざネクストステージ」をのぞき、一皮むけたかと思えば、
瞬間、このザマである。
「鉄拳サイト―」の異名を誇る糧食班長に説教を頂戴する橋本学生20さい。
お説教中もこの表情である。
――このマイペースぶりはとんだ大物か、ホンモノの「ヌケ作」のどちらか?どうにも後者の可能性が濃厚だ。
この後、橋本学生20さいは「連続マーライオン状態」に陥り、介抱のため、多くの人出がとられ、先任らの安眠を妨害。さらに就寝後、不寝番が点検するも入っているはずの寝袋の中にいない!
すわ酔っぱらったまま徘徊か?
と、ライト片手に宿営地を探すもどこにもいない。再度、天幕内を探すと空っぽの寝袋が小刻みに動いている。寝袋を引っぺがすと、そこにはめくれまくったTシャツ、ずり落ちたパンツ姿の橋本学生20さいが赤ん坊の如く縮こまって、脱ぎ散らかした被服のスキマに挟まり寒さに震えている。
「貴様、どこまで手間かけるんだ?」
と、軽く殺意を感じつつも、翌朝の本状況で熱発で脱落されて部隊行動に影響が出ることこそ大問題だ。
服を着ろ、寝袋に入れ――と、指導するも、
「服着れません。寝袋の入り方わかりません。ケツが痛いです」
と、のたまう橋本学生20さいを手取り足取り寝袋にブチ込み、夜が明けた。
翌朝――。
「昨日は飲み過ぎてなにも覚えてないんですよね~」
部隊員一同、いわく「おゆとり様」に殺意を覚えた瞬間であった。
しかし、橋本学生20さいを暴走させた酒。気合いの入った飲みっぷりのアニキたちも皆、生まれながらにアニキであったわけではない。大なり小なり酒で失敗をしながら立派な「アニキ」となっていったのである。
ある者は「イットペ時代」にヤマ(演習)で行われていたガチンコの団結会でしこたま飲まされ、そのまま側溝にドボン。中隊総出の捜索でずぶ濡れの凍死寸前で発見され、またあるアニキ達は初期ハートロックでしこたま飲み過ぎ、そのままMIA(行方不明)で翌日の本番前にKIA。
皆、数多の「オイタ」を経験して「アニキ」=「大人」になっていったのである。
「酒は飲んでも飲まれるな」
わかっちゃいるけど、むつかしい。
こうして橋本学生20さいはまたひとつ大人の階段を上ったのであった。
そしてこのとき、橋本学生の「ヤラハタ」=「妖精化」を阻止するため、かねてから構想されていた作戦が静かに再始動したのであった。
優しい兄貴たちは自分たちの稼ぎのなかから橋本学生の為にカネを積み立て、大阪飛田新地の通称「妖怪通り」をはじめ、横須賀安浦「ババアゾーン」、新潟「あげまん慶子」(!)など各地に存在する、老練超絶テクニシャンの揃う「性のラビリンス」に橋本学生を連行。じ後、「夜間戦闘射撃訓練」を実施。二次元に傾倒しつつある橋本学生を「こちら側」に連れ戻し、
「人は見た目ではなく中身(←本質)」
ということを身体にわからせる――という愛にあふれた作戦だ。
以下、業務連絡。
「夜間戦闘射撃訓練実施計画」
日時 平成24年年末 (忘年会後段が適当か)
地域 未定 (候補として大阪飛田新地、横須賀安浦、千葉栄町、「あげまん慶子」)
目的 夜間戦闘射撃について演練し、その要領を習得させる。
課目 夜間戦闘射撃
時間 15~30m
立案の基礎 継続的な射撃予習は終了している。的確な状況判断、決心については演練を要す。
装備 支援車両小型2両。(護送用1両、阻止車1両)
資材 現金10000円程度
(編成)
指導部 各隊指揮官、先任
実施部隊 橋本学生20さい
支援部隊 (支援) 車輛2両 人員8名
(実施の概要)
捕獲 → 命令下達 → 移送 → 目標と遭遇 → 講評
以上。
橋本学生20さいに幸あれ。